ROOSTER INFORMATION

丁度スリムフィット、スタンダード、ヴィンテージの同一サイズが店頭にあったので、平置きで比べてみました。

Officer Trosuers, Slim, Type 1, USMC Khaki
Officer Trousers, Standard Type1, 10 oz Chino, Beige
Officer Trousers, Vintage, Type 1, USMC Khaki

先ずはヴィンテージ(下)とスタンダード(上)。
股上の深さはおよそ4.5㎝の差があります。
ワタリは5㎝。
パッと見太さが違いますよね。

裾巾に関しては、およそ3㎝の差。
同じ34インチですが、股上の深さの差でレングスが変わってきます。

今度はスリム(上)、スタンダード(下)です。
股上は同サイズで変化なし。
ワタリも同サイズで変化ないです。

膝から裾にかけてすっきりと。
裾巾は3㎝程違います。
腰回り、ワタリまではサイズ感に変化はありませんが、膝から下のサイズ感で随分とイメージも変わりますね。

解り切った感じですが一応(笑)
スリム(上)、ヴィンテージ(下)

裾巾は6㎝の差。

最後に3枚サンドイッチで(笑)
ドレもスタイリングによって合わせ方が違うので、全てとは言いませんが2パターンあると便利です。
チョット綺麗目なスタイリングの際はスリムとローファーで。
アメカジクラシックスタイルはヴィンテージで。
最も使い勝手の良いスタンダードは普段のローテーションに。
っという具合ですね。
チノカーキは一本以上ワードローブに必須ですよ!!
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Officer Trousers, Vintage, Type 1, USMC Khaki

Officer Trosuers, Slim, Type 1, USMC Khaki
おなじみ、古今様々なチノパンを混ぜて作ったWorkers Officer Trousers。 20SS はType1、脇割バージョン。
シルエットは定番のSlim(裾幅18 センチ近辺)とVintage(裾幅24 センチ近辺)の2パター ン。
Vintageは「6-254」という古いスペックのデッドストックからパターンを起こした物でビンテージそのままのシルエット。股上が深く、ワタリも広い。膝・裾も広く。最近、私自身は以前作ったVintage Fitをよくはいています。やはりおっさんになると楽、かつ股上もちょっと深めのほうが落ち着きます。
素材は10オンスクラスの高密度チノ。USMCKhakiはWORKERS別注品。

フロント、斜め切り替えポケット。「身頃続き帯」と俗に呼ばれる、別ベルトではない、身頃がそのまま上端まで続く仕様。
いわゆる「チノパン」の仕様。そこにあえて、チノではないウール・モヘアトロピカルをラインナップしています。
もっと「トラウザーズらしいトラウザーズ」はブルックスブラザーズや、オーダーのお店にお任せして、WORKERSはWORKERSらしく。ドレスな生地をあえて、カジュアルな形で作ってみました。


フロントはクラシックなボタンフライ。

ボタンホールの間に比翼止めステッチが入る、クラシックなトラウザーズの仕様。


ほとんどデザイン、機能性は無いのですが通称「コインポケット」「ウォッチポケット」。実際、何を入れていたのかはよくわかりません。


裏から見ると、先ほどのループがど真ん中にカンヌキで乗っているのがわかります。
そのうえ、ネームはARMY OFFICER'S TROUSERSからイメージをいただいて、WORKERS OFFICER TROUSERSと入れています。

一方で、小股(開きどまりのカンヌキから下)はあえてジーンズのようにダブルステッチを入れています。強度&安定してこの仕様であれば様々な工場で作れるからです。
もっと「トラウザーズらしい」縫い方もあるのですが(棒シック+小股地縫いに乗せ)、それをやると「この工場でしか縫えない」となりがちです。それでは、安定して製品を作ることは出来ないことを、最近の水害やら天災で身にしみて感じました。
「どの工場でも作りやすい、機能的で、でも現代の効率一辺倒とは違う」そんな仕様を追及しています。ビンテージと呼ばれる古い服をたくさん見るのも、単純に「どれをコピーしようか」というのではなく、その中から「これは!」という仕様を見つけ出したい。それらをまとめ上げて「WORKERSのチノパン」を作りたい。それが、Workers Officer Trousersの「コンセプト」です。


後程またヴィンテージとスリムフィット、スタンダードと比較画像をブログで紹介します。

今回のTYPE 1は内また・外股ともに割り仕様。この仕様だと、普段、ドレスウェアよりを作っている工場さんで作れる仕様。実際、MIL-T-2064Aというチノパンのスペックを見た時にも、脇がダブルステッチ(巻縫い)と割り、両方の仕様が載っていました。
本来、「道具としての衣類」を作るための仕様書がスペックです。道具なのだから「ドレスウェアよりの設備を持つ工場」でも「ワークウェア向きの設備を持つ工場」でも、どちらでも作れないとダメなわけです。それを、後年の我々が「これはダブルステッチだ!」とか「こっちは脇割だ!」とか、仕様の違いを楽しんだり、雰囲気の違いを感じたり。
道具としての衣類、それを作る工場の生産設備からくる制約。そういうものが結果として「デザイン」に転化しているわけです。私が、「アメリカの古い服」特に、ミリタリーやワークウェアを面白いと感じる部分はこういう、「デザインの為のデザイン」では無いところから、最終的な「デザイン」が作られているからなのだと思います。そのデザインの「理由」を考えたり、推測するのが面白いのです。


バックショットがヴィンテージとスリムとで異なるディティールが。

背面はSlim Fitと違い、細い両玉縁。ダーツの入る方向も変えて、まっすぐ上に向かっています。Vintage Fitはワタリがかなりあるので、ヒップの寸法も稼げます。そのため、ダーツがそれほど深く取らなくてもヒップが突っ張りづらいのです。

片玉縁+フラップ。単純に物が落ちないのと、穿いたときにヒップの丸みでポケットの口が開くのを防いでくれます。




単純に太い細いではなく、絶妙なコントロールの中での黄金比は年齢層問わず幅広い人気を誇る、ワーカーズ鉄板アイテム。
ヴィンテージが一番太く、スタンダード、スリムと続きます。






見比べると解りやすいですよね~
どっちがどうというよりも、どっちも良いが正解。
自分もスリム、ヴィンテージとスタイリングに合わせて変えてます。
カチッとしすぎないワーカーズチノスタイル。
どうぞお試しください!!
Lot 815 BC Work Jeans -Coordinate- | 2019-12-18 |

165cm 65kg 32インチ着
Shirts:Zip Work Shirt
Vest:Hunting Vest
Denim:Lot 815 BC Work Jeans
Cap:Low Gauge Knit Cap
股上の深いユッタリシルエット。
ここんところタイトが主流でしたが、徐々にゆったりシルエットが復権中。
歳をとると、どうしてもタイト過ぎると(笑)
っというのは冗談で、ゆったりシルエットだからできるコーディネートも多々あるので、今後ご紹介できればなと思います~

ズドンと落ちるストレートパイプ。
トリプルステッチがワークウェアの象徴ですね!!

ヒップ部も余裕があるので、突っ張りません!!

JKT:ACV-01 MILITARY ULSTER JACKET -Khaki Green-
上タイト、下ルーズな組み合わせ。

タイトフィット、スタンダードフィット、ルーズフィットと、それぞれのスタイリングが楽しめるのもアメカジの特権な気がします。
ゴワゴワ感のない履き心地抜群の一本です。
どうぞご検討ください!!
Lot 815 BC Work Jeans | 2019-12-17 |

Lot 815 BC Work Jeans
久しぶりに、極太シルエット、また上深め、トリプルステッチの「ワークウェア」的ジーンズ。古くからのワーカーズファ ンには 「これこそがWORKERS の出発点」 とご存知かと思います。
生地は、WORKERS オリジナルの米綿100%、綿(ワタ)から指定して作っているデニムの左綾バージョン。キバタデニ ムなので縮み、ねじれあり。製品自体はワンウォッシュ+ 乾燥機もかけて縮ませた状態です。

仕様。内股、後ろのヨーク・尻ぐりはトリプルステッチ。脇は耳使いでありながら割りではなく、地縫い+ 倒してトリプルチェーンステッチ(三本環縫い)で押さえています。工場さんと相談で「ここも巻けないことは無いが」と言われまし た。確かに、巻けなくはないのですが、ポケット周りでかなり厚みが出る部分があり、後々にダメージが出やすい。なので、 あえて地縫い+ 倒しの仕様を選びました。
リベットは打ち抜き+つぶし。ワークウェア「らしさ」の演出的な意味も込めて。後ろポケットもリベットにしようかと思いましたが、壁や家具を傷つけることがあるのでX カンヌキに。実際、私も家 の壁紙を思いっきり傷つけて怒られたのもあり。


リベットはカンザスのLではなく私の創作で、打ち抜きをさらにつぶす。これも昔はハンマーでつぶしていましたが、今はYKKが「二度打ち」というコマを作ってくれたので、安定してつぶせています。縫い目の上はリベットが立つか心配でしたが、大丈夫そう。でも、かなり厚みのある部分なので、もしはいていて取れたら打ち直しますのでご安心ください。
ステッチの若干の蛇行を見てもかなり厚みのある部分であることがわかります。3本針ミシンでステッチを入れるのですが、ミシンの針、縫ってる最中前後左右にかなりぶれてます。それでも、目が飛ばないように糸のループの出具合、ルーパーがそのループに入っていくタイミングを調整するのが環縫いミシンの腕の見せ所でもあります。我ながら、頼んでる工場さんうまいなというか「よく、すいすい縫うな」と思う部分です。


トップボタンはドーナツ、帯つけはダブル。この辺りも「いわゆるリーバイタイプと違う」を目指したもう一方のL的仕様。カンザスのLは、ワークウェアのラインナップが豊富だっただけあり、ジーンズにも随所にワークウェア的な仕様を取り入れていたように感じます。一口に「ジーンズ」と言っても、シルエットしかり、仕様も方向性が違います。

フロントボタンフライ。帯つけの2本チェーン、でも始末(帯の上側のステッチ)は一本針平ミシン。ここもチェーンで走る方法もあるのですが、そこまでやってしまうと完全に「ワークパンツ」に見える。そこで、付け側はワークウェア的仕様、始末はジーンズ的仕様を混ぜています。
仕様を決めるとき、古着や参考にした見本と同じ・・・というのはある意味一番しっくりきます。現物が目の前にあるわけですから。WORKERSも初期はそういう仕様しか出来ない、また自分でそれをあえて変えると何か落ち着きが悪く感じました。ただ、何回も企画をするうちに、生地を変えたり、ステッチ糸の色だったりの微妙な調整。そもそも、その製品が「どこを目指したものか」を明確にしたり。そうするうちに、古着から多少変えたとしても、自分なりに「ぴったり」収まる仕様・企画が見えてきました。
今回のジーンズでいえば、「ワークウェア的な、でも13.75オンスのジーンズ」。生地を左綾にすることで、ワークウェアが得意だったあのメーカーの雰囲気を出す。そこにワークウェア的仕様と、ジーンズ的仕様を混ぜることで「ワーク・ジーンズ」として落ち着きが良くなるよう、調整しているというわけです。
ステッチも全体にホワイト系にしてしまうとワークパンツっぽさが強くなりすぎてしまう、かといって金茶・オレンジ・黄色ばかりだとサンフランシスコのLになってしまう。なので、帯つけの下糸だけは白を使おうか・・・とか、自分なりに過去の製品から受けるイメージを元にバランスを取って仕様を考えています。

コインポケット、いわゆるリーバイタイプとは違い、一辺がポケット口の中に入って見えない。このあたりが「ワークウェア」的なジーンズ。

股上は深くユッタリと。


小股抑え、ここも先ほどの持ち出し抑えと同じ糸で、でも縫う回数を増やして強度を出す。

裾巾もユッタリと。

大股(内また)、脇、両方ともトリプルチェーンステッチ。3本環縫いですが、仕様が違います。内または通常の巻縫い、生地を互いに折り込みながら縫う。脇はミミ使い、かつポケットあたりで厚みが出るので、地縫い+倒しのステッチを3本環縫いにしています。よく見ると、倒しステッチの端に耳がちらっと見えます。

バックシンチ仕様。
細かい部分ですが、ヨークが太いのもLot801/802のような、典型的ジーンズとの違い。


ヨーク、尻ぐりはトリプルチェーンステッチ。このたりも「ワークジーンズ」らしく。

見えづらいですが、横にダブルステッチで当て布を入れています。補強、かつ穿き込んだ後にアタリの出てくる部分。ワークウェアとして「強度を上げたい」という機能が、結果「アタリの出方が変わる」といったデザインになる部分。

Xカンヌキ。打ち抜きリベットと悩みましたが、まわりのものを傷つけないように、Xカンヌキで。

ラベルはカンザスのL的な焼き印タイプ。ループの下にベルトが通ります。


そして、BC、バックシンチ。友人のjimさんにカナダで買ってもらったもの。本気の先がとがった針。受け側の斜めのデザインが流麗。正直、サイズ調節機能は「ぼちぼち」ですが、デザインとしてはいかにも「このジーンズはワークウェアの流れを汲んでいる」と感じる部分。でも、車のシートは傷つきます。椅子も、後ろにいる人も。着るときは、周りを気づ付けないよう。また、洗濯は裏返して、手洗い。できれば、脱水もしないでドリップドライ(水したたったまま干す)がおすすめです。


ヴィンゲージフィットというネーミングで、チノやベイカーで展開してますが、デニムでは本当に久しぶりです。
バックシンチなんて10年近く前とのことです(笑)
需要がなくなったわけではなく、世間がナローシルエットに傾き、ソレに伴い自然と消えていったという感じですかね。
それでもここ数年は、ゆったりシルエットが復権し、ワークスタイルいわゆるアメカジスタイルが、徐々に盛り上がってきてます。
90年代のアメカジブームも、やはりデニムからでしたしね。
501の爆発的な人気で、腰パンという表現が生まれたり、ハマダ―とか色々ありましたよね(笑)
まだまだブームとも言いませんが、コレから徐々にアメカジが若い子に浸透してくれればうれしいですよね。
タイトフィット、ストレッチデニムしか履いたことのない若い方にも是非お勧めしたい、米綿100%のゴリゴリワークウェア。
サイズ欠けの場合はお取り寄せも可。
お気軽にご用命ください。
Lot 815 BC Work Jeans
スライバーフリース製造工程・和歌山/原料の調合/ カード | 2019-10-23 |
スライバーフリース。糸になる原料の「スライバー」を巻きんでニットを作り、毛足の長い編み物を作る。
今回別注したフリース、目の細かい14 ゲージの編地に多めにスライバーを送り込んでずっしりしたフリースになって います。これ以上送り込んで重くなると伸びてしまうギリギリ。せっかく別注するからには、単価よりクオリティだ!と 気合が入った企画・規格です。
その原材料フリース工場のリポートをワーカーズさんブログより拝借して、皆様にご紹介ですぅ~
スライバーフリース製造工程・和歌山/原料の調合/ カード

スライバーフリースの、「スライバー」を作るための原料。左側がその「スライバー」で、右側が原料のポリエステルの原毛。原毛に複数の色を付け、混ぜる事で色調を出します。

大きな箱状のボックスにエアを使い吸い込み、混ぜていきます。この中で、白、茶色の原毛がぐるぐる混ぜられています。こういう作業の何が大変かというと、終わった後の掃除。モップが立てかけてますが、色物は、前の色が混ざらないように終わったら必ず掃除が要ります。この掃除は、大量のものをやろうと、少量だろうと同じ時間かかります。小ロットが高コストになるのは、この「変わらない時間かかる作業」を割る、母数が減るからです。

混ざりあった原料は、先ほどの箱から別室へ、これもエアダクトを使って送り込まれます。


糸を作るときは、綿、ウール、ポリエステル、どんな素材でも短繊維で あればカードと呼ばれる櫛を使って繊維の方向をそろえ、糸の原型である「スライバー」を作ります。Tシャツの糸、ジーンズの糸、どっちも似た機械が出てきます。
本来、このスライバーが何回も縒られたり(練条)したり、粗紡・精紡と糸になっていくのですが、「スライバーフリース」は糸作りの途中工程であるスライバー自体をニットに編みこんでしまうのが一番の特徴です。

出来上がったスライバーは袋にまとめられ、次の編みの工程へ・・・
編み立て

編み機の形状は、いわゆるT シャツやスウェットの生地を編むそれとほぼ同じような形。上から供給された糸が真ん中で筒状に編まれ、下に降りていきます。ただ、糸の供給方法が全く違い、編み機を囲むようにスライバーがセットされ送りこまれる。

さらに、芯になる糸は編み機の奥に白い糸が立っていて送りこまれて行きます。この芯になる糸に、スライバーを周りにまとわりつかせながら編み針で編んで いきます。

編み針も、おなじみの形状ですが編んだ向こう側にスライバーが毛足として出ているのがわかります。

編み上がった状態は筒になっていて、これを切り、平らな状態にしてこの後の仕上げ加工工程に入ります。一番右、編み上がったばかりの状態はふわふわ。まるで羊毛のよ うでもあり、でもベースは編み物なので羊毛とは違う伸びがある状態。ただ、この状態ではまだ、スライバーが簡単に抜け落ちてしまう状態です。
シャーリング・ブラシ・ポリッシャー・タンブラー、様々な仕上げ・風合い出し工程


余分なスライバーの毛を刈り込むシャーリング


裏面に糊付けをしてスライバーが抜けないようにする工程。熱をかけているので、寒い時期には靄が出ます

タンブラーでぐるぐる回して、余分な毛を落としつつ、毛のカーリング・丸みも出し、全体の風合いも柔らかくする
仕上げの工程は多種にわたり、その工程をある時は前後させ、ある時はある工程を複数回行い・・・と無限ともいえる組み合わせがあります。
具体的には毛を刈り込むシャーリング、裏面に糊をつけて生地を安定させる糊付け、遊び毛を取り除くブラシ、毛を熱で伸ばすポリッシャー、 パイルのボリューム出し・リラックスのタンブラー、生地の幅だし。
今回伺った日本ハイパイルさんはスライバー作りから編み、仕上げを一か所で一気貫通で行っています。そのため、コストさえ許せば仕上げはどのような組み合わせでもでき、多種多様な風合いを出すことができます。例えば、毛が丸まってほしい、そのツブの大きさはこのぐらいになってほしい、毛足の長さはこんな風に・・・日本ハイパイルさんは過 去に作った膨大な資料があるので、ある程度まで「この工程でこの風合い」と予測はできますが、それでも最後はやってみないとわからないのが今回の生地作りの面白さでした。

そんな工程を経て出来上がったスライバーフリース。表面を起毛させて作るフリースより毛足が長く、さまざまな風合いを作れる、でも高コスト&生産性が悪いのがウィークポイント。ただ、そのウィークポイントがあるからこそ、海外で生産するメリットが中々見いだせない。(結局、海外でやっても大量に安くは作れない)。だからこそ、国産が残った素材。
毎回度肝抜かされる工場見学シリーズ(笑)
みたこともない大きな機械にロボット達。
プロ目からだと、コレが何するものぞが解るんでしょうが、素人にはチンプンカンプン(笑)
ですが、こうやって工程を経てみると、何となく理解できます。
色々な工程を経て、ようやく原材料のフリースが出来上がり、更にコレから縫製、検品、品出し、ようやくお客様の元へとたどり着きます。
普段何気なく消費する側ですが、こういった作り手の裏を見ると、職人さんあっての洋服なんだなーっと思います。
コレを高いとみるか安いとみるかは、あなた次第(笑)
どうぞ来年以降もご期待ください♪
今回別注したフリース、目の細かい14 ゲージの編地に多めにスライバーを送り込んでずっしりしたフリースになって います。これ以上送り込んで重くなると伸びてしまうギリギリ。せっかく別注するからには、単価よりクオリティだ!と 気合が入った企画・規格です。
その原材料フリース工場のリポートをワーカーズさんブログより拝借して、皆様にご紹介ですぅ~
スライバーフリース製造工程・和歌山/原料の調合/ カード

スライバーフリースの、「スライバー」を作るための原料。左側がその「スライバー」で、右側が原料のポリエステルの原毛。原毛に複数の色を付け、混ぜる事で色調を出します。

大きな箱状のボックスにエアを使い吸い込み、混ぜていきます。この中で、白、茶色の原毛がぐるぐる混ぜられています。こういう作業の何が大変かというと、終わった後の掃除。モップが立てかけてますが、色物は、前の色が混ざらないように終わったら必ず掃除が要ります。この掃除は、大量のものをやろうと、少量だろうと同じ時間かかります。小ロットが高コストになるのは、この「変わらない時間かかる作業」を割る、母数が減るからです。

混ざりあった原料は、先ほどの箱から別室へ、これもエアダクトを使って送り込まれます。


糸を作るときは、綿、ウール、ポリエステル、どんな素材でも短繊維で あればカードと呼ばれる櫛を使って繊維の方向をそろえ、糸の原型である「スライバー」を作ります。Tシャツの糸、ジーンズの糸、どっちも似た機械が出てきます。
本来、このスライバーが何回も縒られたり(練条)したり、粗紡・精紡と糸になっていくのですが、「スライバーフリース」は糸作りの途中工程であるスライバー自体をニットに編みこんでしまうのが一番の特徴です。

出来上がったスライバーは袋にまとめられ、次の編みの工程へ・・・
編み立て

編み機の形状は、いわゆるT シャツやスウェットの生地を編むそれとほぼ同じような形。上から供給された糸が真ん中で筒状に編まれ、下に降りていきます。ただ、糸の供給方法が全く違い、編み機を囲むようにスライバーがセットされ送りこまれる。

さらに、芯になる糸は編み機の奥に白い糸が立っていて送りこまれて行きます。この芯になる糸に、スライバーを周りにまとわりつかせながら編み針で編んで いきます。

編み針も、おなじみの形状ですが編んだ向こう側にスライバーが毛足として出ているのがわかります。

編み上がった状態は筒になっていて、これを切り、平らな状態にしてこの後の仕上げ加工工程に入ります。一番右、編み上がったばかりの状態はふわふわ。まるで羊毛のよ うでもあり、でもベースは編み物なので羊毛とは違う伸びがある状態。ただ、この状態ではまだ、スライバーが簡単に抜け落ちてしまう状態です。
シャーリング・ブラシ・ポリッシャー・タンブラー、様々な仕上げ・風合い出し工程


余分なスライバーの毛を刈り込むシャーリング


裏面に糊付けをしてスライバーが抜けないようにする工程。熱をかけているので、寒い時期には靄が出ます

タンブラーでぐるぐる回して、余分な毛を落としつつ、毛のカーリング・丸みも出し、全体の風合いも柔らかくする
仕上げの工程は多種にわたり、その工程をある時は前後させ、ある時はある工程を複数回行い・・・と無限ともいえる組み合わせがあります。
具体的には毛を刈り込むシャーリング、裏面に糊をつけて生地を安定させる糊付け、遊び毛を取り除くブラシ、毛を熱で伸ばすポリッシャー、 パイルのボリューム出し・リラックスのタンブラー、生地の幅だし。
今回伺った日本ハイパイルさんはスライバー作りから編み、仕上げを一か所で一気貫通で行っています。そのため、コストさえ許せば仕上げはどのような組み合わせでもでき、多種多様な風合いを出すことができます。例えば、毛が丸まってほしい、そのツブの大きさはこのぐらいになってほしい、毛足の長さはこんな風に・・・日本ハイパイルさんは過 去に作った膨大な資料があるので、ある程度まで「この工程でこの風合い」と予測はできますが、それでも最後はやってみないとわからないのが今回の生地作りの面白さでした。

そんな工程を経て出来上がったスライバーフリース。表面を起毛させて作るフリースより毛足が長く、さまざまな風合いを作れる、でも高コスト&生産性が悪いのがウィークポイント。ただ、そのウィークポイントがあるからこそ、海外で生産するメリットが中々見いだせない。(結局、海外でやっても大量に安くは作れない)。だからこそ、国産が残った素材。
毎回度肝抜かされる工場見学シリーズ(笑)
みたこともない大きな機械にロボット達。
プロ目からだと、コレが何するものぞが解るんでしょうが、素人にはチンプンカンプン(笑)
ですが、こうやって工程を経てみると、何となく理解できます。
色々な工程を経て、ようやく原材料のフリースが出来上がり、更にコレから縫製、検品、品出し、ようやくお客様の元へとたどり着きます。
普段何気なく消費する側ですが、こういった作り手の裏を見ると、職人さんあっての洋服なんだなーっと思います。
コレを高いとみるか安いとみるかは、あなた次第(笑)
どうぞ来年以降もご期待ください♪